四季 冬(森博嗣)

hidariwakibara2004-03-31

読了。ネタバレしてるかも。
またしてもファン向けの一冊。予備知識が無い人が手にとって読んでみても十分楽しめるようなエンタテインメント性は、持っていないように思います。物語らしい物語は無く、ミステリでも無い、どちらかというとSF。「ミステリと思わせて実はSFだった」というのがメイントリックのミステリとも言えるかも。
天才・四季の頭の中で泡の様に浮かび上がる、脈絡も時系列も無視した記憶と人格。それらが詩的なセンテンスで延々と描写されます。常人には及びつかない天才の思考回路を、覗き見ることが出来る、そんな小説でした。