あなたの人生の物語(著:テッド・チャン、翻訳:浅倉久志 他)

hidariwakibara2004-06-24

英米の主要なSF小説賞を次々と獲得している作家の、待望の翻訳短編集らしいです。「このSFがすごい」みたいな本でお薦めされまくっていたので読んでみました。
特に心に残ったのは「顔の美醜について」という短編です。ちょっとした処置を施すだけで顔の美醜の判別が不可能になる、そんな医療が確立した世界で、「全員がこの処理を受けるべきだ!」という運動が盛り上がる、というお話。
どこまでが個性で、どこからが差別なのか。美しさが才能だとしてしまったら、キモメンの人権は侵害されはしないのか?弱冷房車はデブにとっては暖房車だぞ!?
でも実際に人の顔の美醜の判別がつけられない世界になったとしたら、世の中は勢いを無くしてしまうのではないか、とも思いました。キモメンのコンプレックスが生み出す童貞力がスポイルされてしまいますよ!そんな世の中じゃMicorsoftの成功もなかったに違いないのです!