Φは壊れたね(森博嗣)

hidariwakibara2004-09-13

読了。ネタバレしてるかも。
森博嗣の新シリーズです。新書なのに一段組みでボリュームは無いけれど、さくさく読めてシンプルなお話で、ちょっとしたパズラとして楽しめます。
トリック自体は、驚くような斬新さは無いのですが、別の大きなビックリが用意されております!
なんと、殺人の動機の説明が全然無いのです!これが一番のトリックなのかも?
今までも森博嗣は、「物理的な仕掛けは解き明かします。動機も一応は解説します、でも動機なんて完全な理解が出来る性質の物でも無いんだし、動機が気になるなんて気のせいだよ、キャンペーンですよ!」ていうスタンスでした。
しかし今回からは「物理的な仕掛けは一応解説しますが、その解説が真実であるかは定かではありません、そして動機に関しては一つも説明しません」という、ある意味、真の理系ミステリスタイルになっております。
もうちょっと正確に言うと、動機についての説明はしないけれど、作品中で描写された範囲で読者が感じて想像し得た物の内で、もっともシックリ来る物を自分なりの答えにして下さい、何故なら他人の動機を理解するというのはそれ以上の理解にはなり得ないからです、というスタンスです。
結局、馬鹿チンのボクチンは動機についてはサッパリ理解できずじまい。「Φは壊れたよ」って結局どういう意味だったんですか?
ミステリの特徴は良くも悪くも、「読み進めさえすれば労せずに答えに辿り着く」という点だと思っていたのですが、どうもその限りでは無いみたい。
バーカ頭使え!って事ですね!
ブタ!デブ!飯食うな!って事ですね!