イノセンス コレクターズボックス

hidariwakibara2004-10-17

本編を見ました。劇場で見たのと合わせて、これで3度目の観賞です。
劇場で見るよりも台詞が頭に入りやすくて、意外と良い事を言っている事に気が付きました。今までの作品に比べて思想的な部分が弱いと感じていたのですが、そんな事も無いみたいです。かなり色んな事を考え込んでます。>押井守
つまり「家庭を持って子供を作る事は確かに素晴らしい事ですよ!でも!家庭を持たずに一人で生き、犬で癒されている僕の人生は、そんなに価値が無いものなんですか!?そんな事は無いはずです!」っていうのが作品のメッセージですな!
今まで理性とシャイネスで、外部の理屈ばかりをこね回していた押井守が、とうとう恥らいながらも自身のコアからテーマを抽出し、その敏感な部分を必死で理論武装している、そんな可愛らしくも業深い、素敵な作品なのだとやっと気付きました!
そして持ち出した理屈が、「子供と人形と犬を同列と見なす」というヤンチャ過ぎる物だったので、見てる側は皆ずっこけた、とそういう訳ですな。やっと分かったよ!スッキリ。

ストーリィサイドもばっちり理解です!ロクス・ソルス社の船内で、なぜガイノイドが襲ってくるのかも、ようやく分かりました。
ストーリィがスッキリ分かると、結構ファンサービスが考えられている痛快娯楽な作りになってる事も見えてきて、劇場で見たときより大分良い方に印象が変わりました。
ところで択捉に着いてからキムの所在を調べるのは、ちょっと変ですよね。今回はたまたまキムが択捉に居たから良いけれど、天才ハッカーの物理的な居所を特定するのはそれなりに大変なはずだと思います。
あとは、事件全体をプロデュースする思想的な犯人が不在な事と(一応キムがそうなの?)、ゴーストダビングという事件の真相が大して意外ではない事が、事件全体をこじんまりとした物に見せてるのだと感じました。
そんな感じで3度目の感想でした。