きみはペット 11巻、12巻(小川彌生)

hidariwakibara2005-03-15

12巻で一気に急展開!しかもボクチンの予想とはかけ離れた展開です。
予想していたラストはスミレ・モモ・ハスミの3人一組というカップルの成立だと思っていたのです。一夫一妻制という常識からフリーな着地点。一神教多神教があるように、生涯を捧げる最高の相手がたった一人の異性とは限らない。何より格好良い男を両方とも手放さないという結論が、女性読者にとって一番の快楽じゃないのかな、と考えていたのです。
が実際は、猫のフクちゃんを都合の良い装置として利用して、アッサリとハスミを三角関係からパージしてしまいました。残ったモモはハスミの担当パートまで背負い込まされて、スミレちゃんを最高に幸せにする神様みたいな男になるべく、単身ベルギーへ武者修行へ…。ここからはオーソドックスな少女マンガ的なハッピーエンドを迎えるだけのような気がします。

それにしても猫のフクちゃんは都合が良すぎ!スミレは、ハスミがフクちゃんを飼っていた事であんなに取り乱すのに、モモの事でハスミがどれだけ傷付くかはあまり考えないのです。おまけに「最後までお互いを好きなままでいたいから僕らは終わってしまった」とか言いながら、モモの事は内緒のままお別れしちゃうなんて、ちょっとずるくない?
隠してモモを飼っている事によってずっと生じていた、スミレとハスミの関係の最大の歪みを、どこかの時点で真っ向から解決する、ってのがドラマの山場だと思ってました。そんなの通俗的過ぎですか。