オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)

蕎麦屋に忘れてきたと思ったのは勘違いで、部屋に転がってました。
コンビニ強盗に失敗して逃走中の主人公・伊藤は、不思議な島へたどりつく。150年ものあいだ外部との交流を持たないというその島で、言葉を話し未来を見通す案山子が殺される。未来が見える筈の案山子が、島民に慕われていた案山子が、なぜ殺されたのか?伊藤は案山子の死の真相へ迫っていく、というお話。
会話が機知に富んでます。小気味良くて賢そうで楽しいです。
そして悪役の城山が凄く怖い。賢くて冷静で強くて禍々しい。
「おまえらの人生は、もう、だいなしだから。これから身体の皮を削って、骨を折ってやるから。性器だって、切る。人生はつらいぞ」
かなわない相手に事故みたいに蹂躙されて、簡単に台無し。年をとったせいか、なんだかこういうの、耐え難い。うへえ。
とはいえ城山が作品に緊張感を与えていて、トータルでは相当面白かったです。このミスで褒められてたので、逆に敬遠していたけど、伊坂幸太郎いけてますな!