聖女の救済

hidariwakibara2009-02-21

TVドラマ・映画と大人気のガリレオシリーズの最新長編。容疑者Xの劇場化に合わせてポンポンと書けちゃう東野のプロ仕事に惚れ惚れします。今までのシリーズと違って柴崎コウのキャラが大活躍してました。
内容もそこそこ良い感じ。先が気になってぐいぐい読み進められましたし、謎がだんだん明かされていく後半も結構ゾクゾクします。でも、全部が明かされた後にトリックや物語を俯瞰してみると、ちょーっとイマイチかなぁ、という感想です。
トリックに関しては、結構綺麗な大技が決まっていてホホゥと関心するのですが、湯川が言う程の完全犯罪とは思えません。物的証拠がしっかり残ってるし、ハッタリが過ぎるかなと。
物語部分も容疑者Xほど心震えるものはなかったかな。変人な被害者のせいで変人的犯罪を犯してしまった変人容疑者の話で、変人同士で勝手にやってなさい、という気分になりましたぜ。前作の変人の理解されない一方的な献身は面白かったので、ここら辺はまぁ趣味の問題ですな。
次は短編集行きます。貸してくれたnrkwさんありがとう。