文藝別冊 庵野秀明

hidariwakibara2004-06-02

キューティハニーを中心に庵野秀明のインタビューや対談や、色々な評論が載っている本。
キューティーハニー、この映画において、市川実日子は現在の映画のフォーマットというかプロトコル上で、伝えたいことを観客に伝えるという能力に優れているのだろう。それが所謂、演技が上手いと呼ばれる状態。逆にサトエリは映画演劇プロトコルにおいての情報伝達方法が間違っているのだと思う。彼女の表現はしっくりこないし、伝わらない、つまり演技が下手という状態なのだが、けれど丸ごと切り捨ててしまうには惜しい何かを匂わせている様にも思う。脚本上では、両方のキャラクターが明確な成長テーマを描いているのに、実際の映画においては市川実日子演じるキャラの成長のみが強烈に印象に残るのは、そういったことに根ざしてるのだと思う。時代とともに、このプロトコルが変化していくにつれて、サトエリが評価されることもあるのかもね。みたいな事を映画を見てしばらく時間がたってからボンヤリと考えました。