アガペ 1巻(作:鹿島潤、画:石黒正数)

hidariwakibara2004-10-26

アガペとは"与える愛"のことを指し、"求める愛"エロスと対になっている言葉だそうです。
本作品は、求める事無く愛を与えつづける"アガペ"の持ち主・一乗はるかが、犯罪交渉人となって凶悪犯罪者を説得する様が描かれます。
なんといっても主人公の一乗はるかの描き方が一番の見所です。はるかはアガペの持ち主と言っても、誰彼構わず笑顔を振り撒き、皆を幸せにするようなキャラクターではないのです。皆に愛をあたえる故に、逆に誰に対しても特別な感情を抱く事の出来ない、無表情で不器用な少女として描かれています。これがなかなか魅力的で、何を感じているのか判らないはるかの行動から目が離せません。
わりとお薦め。1巻の最後が、これまたショッキングな展開でしめられていて先も気になります。