ラス・マンチャス通信(平山瑞穂)

hidariwakibara2005-02-05

第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品だそうです。
うだつの上がらない主人公の生き様がファンタジックに描かれます。ファンタジーと言っても剣と魔法が出てくるわけではなく、普通の生活に異物が混じっている感じです。普通の人のブログを読んでいて、どう考えても異常と思える記述を発見したときの感覚とでも言いましょうか。ちょっとのはみ出しだけれど、ちょっとだからこそ際立つ異常性。これをパッケージングしてファンタジーとタグ付けしたセンスに少し感心です。
本作から受ける印象は、高校生の時に飲んでいた漢方薬の印象となんとなく似てます。見た目はコーヒーだけど、香りと味は全く別物でした。臭くて苦くて仄かに甘い。