劇場版AIR

hidariwakibara2005-02-26

エロゲーを原作に頂くアニメ映画です。ようやく見てきました。公開から3週間がたっているのになかなかの客入りです。ちょろっと立ち見がでてました。そして客は男のオタばっかり…。男性トイレの方が混雑しているところなんて始めてみましたYo!
監督は、ガンバ、あしたのジョー等で有名な出崎統!ベテラン出崎がエロゲーを手がけたら一体どうなるの!?っていうのが一番の見所です。
で実際の作品はというと、
ザックを引っさげてバスから降り立つ国崎の立ち姿はジョーそのもの。つづいて三回同じ絵が繰り返されて通り過ぎる美鈴、眩しい日差しのハーモニー処理、そしてキラキラと輝く美鈴のゲロ!これだ!これですよ!これですか?
エロゲーだという事を気にも止めない、奇をてらう事ない、あまりにいつも通りな出崎演出に、ちょっと笑っちゃいました。笑っちゃいましたが、作品自体は普通に真夏の青春映画って感じで楽しめました。
Web上では原作ファンから総スカンを食らっている映画版ですが、それも納得。これはエロゲーをやらない人向けのディレクションで作られているのですな。
オタが感動して泣いた泣いたと大騒ぎの原作版は、キャラクターデザイン(外面も内面も)がかなりイビツで、そのまま映画化したらエロゲーをやらないお客さんがドッ引きの内容になりかねない、けれどその歪みこそがAirの肝でもある。
そこのさじ加減をどうするかが監督の腕の見せ所なのですが、エロゲー萌えキャラの媚態コードなんて良く分からない出崎監督は、電波な原作を普通の少年少女の恋物語にしちゃったのですな。それで「こんなの美鈴ちんじゃない!」「泣けなかった!」とオタ大騒ぎ。
でもさ、あの電波な内容はゲームのテキストで大量に流し込まれてる時なら兎も角、アニメで声付きでやられても居たたまれない気持ちになりませんか?神アニメと大絶賛のTV版Airを見てボクチンはそう思いました。ボクチンには劇場版くらいの感覚があってるようですが、こんなのAirじゃないという意見も確かに納得。ボクチンのオタ感覚の低下が危ぶまれます。