真夜中の弥次さん喜多さん

hidariwakibara2005-04-10

原作マンガが大変な名著で、ボクチン大好きなんです。
愛すること、愛されること、生きること、死ぬこと。すべてが薄っぺらで現実味をなくした世界に溺れながら、弥次喜多の二人が掴み取る精一杯の真実に胸を打たれます。ものすごくシリアスでピュアなしゃべり場みたいなテーマを、笑いに持っていくバランス感覚が素晴らしいのです。いわゆるクドカン的な感触だけを期待して観に来た人には、不条理でグロテスクに感じるかもしれませんが、原作ファン的にはOKです。
だってさ、死んでしまった恋人を妄想で生かし続ける愛ですよ?一方の死んだ恋人は、現世の恋人にもう一度出会うために、地獄を超えて生き返っちゃう愛ですよ?
セカチューよりもずっとまじめに「真実の愛」を描いています!セカチュー見てないですが!本当の意味でロマンチックでピュアラブな映画だと、ボクチンは思いました。
ちなみに原作のラストでは、再会した二人が、愛とリアルを確認する言葉をグッと飲み込んで、タンゴを踊るんです。そのラストが最高に素敵なのです。お奨めです。